• "土地"(/)
ツイート シェア
  1. 滋賀県議会 2022-12-15
    令和 4年12月15日環境・農水常任委員会−12月15日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    令和 4年12月15日環境・農水常任委員会−12月15日-01号令和 4年12月15日環境・農水常任委員会              環境・農水常任委員会 会議要録                                開会 9時59分 1 開催日時      令和4年12月15日(木)                                閉会 12時33分                         (休憩 10時32分〜10時33分) 2 開催場所      第三委員会室 3 出席した委員    山本委員長、井狩副委員長             桐田委員柴田委員河井委員松本委員駒井委員、             加藤委員江畑委員 4 出席した説明員   宇野農政水産部長および関係職員 5 事務局職員     井上主査川畑主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  9時59分 《農政水産部所管分》 1 議第145号 令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)のうち農政水産部所管部分について (1)当局説明  中田農政水産部次長 (2)質疑、意見等 ◆加藤誠一 委員  資料1の飼料生産流通対策費の関係につきましては、説明がありましたとおり、5月の補正予算でも配合飼料価格高騰対策緊急支援事業に対応いただき、ありがとうございました。ですが少し足りないようで今回の補正対応とのことです。  12月までの制度設計上、今後どうなるかという話ですが、一つ気になる情報として、もし県が対応しないのであればと、東近江市が1月から3月分として補正予算を上げています。同じスキームです。市がどういう情報を持っているのか分かりませんが、今後、県としてどう対応するのかを確認しておきたいです。  同資料の粗飼料価格高騰対策緊急支援事業については、国には今、粗飼料関係の制度がほとんどありません。そうした中で、今回、県独自に粗飼料に対して支援をしようということは非常に前向きな制度として、農家の方も大変喜ばれると思います。ありがとうございます。初めて出てくることでもあり気になるのですが、制度設計として、これは来年3月までの期間となっているのかを確認しておきたいです。それから対象は乳用牛と肉用牛との話ですが、いわゆる肥育牛、繁殖牛はどちらの扱いになるのかを確認しておきたいです。よろしくお願いします。 ◎青木 畜産課長  まず1点目の、配合飼料価格高騰対策緊急支援事業についてですが、5月臨時議会の折にお認めいただいたので、執行は既に始まっています。今般、また少し配合飼料の価格が、当初見込んだものよりも上昇しているので追加となっています。御指摘のとおり、事業の実施期間は一応本年中の12月、つまり第3四半期までです。それ以降も、配合飼料の価格が早急に落ちるとは当然考えにくいので、現在、国の動きや、必要な支援策などを検討し、また皆様にお願いした上で、必要な対策を実施したいと考えています。  2点目の粗飼料の件につきまして、これは実績に応じてお支払いするのではなく、輸入粗飼料を購入するに当たっての緊急支援として、1頭幾らという形で考えています。今おっしゃった肥育牛と繁殖牛については、肉用牛として一くくりとし、支援をさせていただきたいと考えています。 ◆加藤誠一 委員  分かりました。配合飼料の件は、確かに今後どうなるか分かりませんし、県としては注視しつつとの考え方ですが、東近江市では補正予算を掲げていますので、積極的な支援を考えているようです。また連携をとっていただき、よりよい方向での支援をお願いしたいと思います。  また粗飼料は今回、県独自の話として1頭当たりということは分かりましたが、今の繁殖牛に係る話は、今度制度設計して皆さんに示すときにも、多分、同様の話が出てくると思います。肉用牛としての扱いが正しいのか、正しくないのか、畜産のことは私にはよく分かりませんが、そのあたりをしっかり説明して、農家に納得いただける形となるようよろしくお願いしたいと思います。 ◆松本利寛 委員  何点かお聞きします。一つは燃油対策での減額補正ですが、この予算をつけるときに、私は対象を広くし認定農業者以下の規模の農家も対象としてほしいと申し上げましたけれども、対象は認定農業者以上という状況でした。全体として、想定された戸数に対し給付された戸数はどの程度だったのか、まずお聞きしたいです。  飼料についてですが、牛は年度が替わればいなくなるものではなく、継続して生きているので、支援の継続性について、やはりもう少し農家に向かって発信しておく必要があると思います。そのあたりをどう考えているのでしょうか。年や年度で切るわけでもないですし、農家が経営上の判断をされる材料をしっかりお知らせする必要がある気がします。  それから配合飼料と粗飼料の支援金について、具体的に農家にはどのようにして支援が届くのでしょうか。飼料屋、あるいは個々の農家が個別に申請されるのか、具体的にどういう形なのかを教えていただきたいと思います。 ◎平井 農政水産部技監  燃油高騰対策の申請者の数ですが、3,100戸の農業者を想定しており、今のところの申請は2,465の農家です。 ◎青木 畜産課長  継続的な支援の発信のことをおっしゃっていたと思いますが、これはどこの県もそれぞれいろいろな支援をされていますけれども、やはり財源等の状況や先行きが読めないことから、12月で切っているところもあれば3月で切っているところもあります。ただ、先ほどもお答えさせていただいたとおり、そのときの状況を見ながら、必要があれば継続等について検討したいと考えています。  また、農家にどういう形でこの支援金が渡るかということですが、価格安定基金配合飼料の支援につきましては、もともとその基金のベースがありますので、そちらがある団体からとなります。具体的に言いますと、配合飼料価格安定基金協会や各農協を通じて支援を行います。粗飼料につきましては、全農滋賀などの生産者団体を通じての支援を予定しております。 ◆松本利寛 委員  燃油に関しては、今後どうなるか引き続き不透明ということもありますが、この補正予算がつけられるときに申し上げたように、やはり全ての農家が県の農業を支えているので、できるだけ全ての農業者に行き渡る手法を考えてほしいと思います。  飼料については本会議でも申し上げましたが、酪農では1年も経たないうちに6戸の農家が廃業されるなど、先行きの見通しが非常に大きく揺らいでいる危機的な状況だと思います。入荷の問題も含めて、そこはやはりもう少し、生産者団体なども含め、高騰飼料に対する先行きの問題に、しっかり支援することをぜひ考えていただきたいと思います。 ◎青木 畜産課長  酪農につきましては、委員が今おっしゃられたとおり、大変厳しい状況にあると認識しています。そのことには、配合飼料および粗飼料の高騰に対する緊急的な支援をさせていただいたところです。ただ、中長期的に考えますと、やはり国が示しているとおり、根本的に飼料自体の国産化、自給化を進めていく必要があると考えています。従来からそのことには取り組んでいますが、引き続き進めていきたいと考えています。 ○山本正 委員長  もう1点、全ての農業者に行き渡る方法を考えていただきたいという話がありました。 ◎平井 農政水産部技監  小規模な農家も含めてということですが、申請が減った原因としては、戸数自体が少なかったことに加え、彦根市などによる市町単独の支援策を活用することにより、こちらの申請をされなかったというところがあります。この事業は、そうしたことにより若干戸数が減っています。 ◆松本利寛 委員  分かりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ◆江畑弥八郎 委員  食肉センターの関係で、これは電気代の高騰に伴う補正とのことですが、この事業ではどこの電力会社と契約をされているのでしょうか。関西電力なのか、他の新電力会社なのかを教えてください。関西電力あたりだと、来年の4月からも含めて今は値上げを表明していませんし、この間に確か料金がそれほど上がった記憶はないので状況を教えてください。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  食肉センターの電気代の契約者は、令和4年の10月から、最終保障供給として、関西電力送配電株式会社に変わりました。それまでは電力入札によって、新電力会社に依頼をしていました。4月から9月までは、大体20円前後で電力の単価は推移していましたが、最終保障供給に移ってからは35円を超える単価に変わったことと、基本料金も上がっていることから、今回、増額補正をお願いするものです。 ◆江畑弥八郎 委員  最初は新電力会社と契約をしていて、途中からやむなく関西電力に変えたことにより、今の金額が倍近く上がったため、その分の補正ということでしょうか。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  委員のおっしゃるとおりです。 ◆江畑弥八郎 委員  今朝も少し関西電力から説明を聞いていたのですが、いろいろな節電対策などをするとポイントが付与されたり、多分大口の契約だと思うので、関西電力のいろいろな対策や政府の政策も含めて、これからフォローする仕組みが出てくると思います。そうしたことも念頭においた上での補正でしょうか。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  今後、国において電気代高騰軽減等の取組が見込まれることは伺っていますが、今回の補正の金額は、最大想定で見込んでいます。今後、執行に当たっては、実際の契約単価等に応じて、執行額が変わるものと考えています。 ◆江畑弥八郎 委員  いずれにしても政府そして電力会社から、節電に協力してくれれば還元するという様々な制度が出てきますので、やはりそういうことをしっかりと有効に使っていただくよう、よろしくお願いします。 ◆河井昭成 委員  資料の最後のページ、団体営土地改良事業費について、これは国の追加割当てに伴う増額と説明されていますが、今後どうなるのでしょうか。年初に様々に企画されたものの対象にならなかったものをこの増額分で行うのか、もしくは単純に支援額が増えるだけなのか、それとも期中に新しく出てきた取組に対しての支援なのか、どうでしょうか。 ◎青木 耕地課長  既に複数年で動いている地区について、国から追加割当ての打診があり、その分が必要かどうか各地区に問い合わせたところ、受け入れられる地区があったので前倒しとして予算を頂いているものです。 ◆河井昭成 委員  今年ではなく、新年度以降にやろうと思っていたことを追加で、予算がくるならば前倒しでやるということと理解したらいいでしょうか。 ◎青木 耕地課長  そのとおりです。 ○井狩辰也 副委員長  収入保険につきまして、今、加入は進んでいるのでしょうか。個別のナラシ対策との二者択一になると思うのですが、現場のいろいろな話では、なかなか選択に迷われていると聞いています。どんな状況か教えていただければと思います。 ◎寺田 農政課農業団体指導検査室長  収入保険加入者数ですが、直近の数字では、令和4年の9月末時点で926経営体が加入されています。今年度、ナラシ対策から収入保険に移行されている方も増えてきていると共済組合から聞いています。 ○井狩辰也 副委員長  どちらが有利かということも含めて、もう少し詳しく説明いただきたいです。収入減少に対しての一括の保険と、個別事案に対しての保険だと思うのですが、そうしたことも含めてどちらが有利なのでしょうか。また、これは政府が進めていると思うのですが、ある一定の目標などはあるのでしょうか。 ◎寺田 農政課農業団体指導検査室長  令和4年度末までの加入者数の目標値が、一応定められていまして、1,250経営体が目標値とされています。先ほど申し上げました926という値が、その目標値に対しての、9月末時点での加入状況です。  収入保険加入要件青色申告をされている経営体となっていますが、その青色申告をされている経営体の数が、今は約4,600経営体となっており、その内の926経営体が9月末時点で加入されています。 ◎平井 農政水産部技監  ナラシ対策というのは、平成19年ぐらいから、収入減少影響緩和対策としてスタートしたもので、これは滋賀県でいうならば稲と麦と大豆の収入で計算して、平年と比べてそれが下がった場合に補填がされるというものです。稲が下がっても麦が上がったとか、大豆が上がった場合には総合的に考えてならすという意味で、当時の国によりナラシという用語が使われました。  収入保険というものは、収入全体を見て、下がったか上がったかを見る保険ですので、稲、麦、大豆以外のものも含めて収入全体を比較します。経営体によっては、どちらを選ぶかという選択肢が出てくると思います。ナラシ対策には、今、青色申告の要件はありませんので、白色申告の場合でも利用できるものとなっています。 ○井狩辰也 副委員長  結局どちらの制度が有利なのでしょうか。 ◎小川 農政課長  先ほど平井技監が申しましたとおり、経営状況に応じて有利不利がありますので、申し訳ございませんが、一般論としてどちらが有利ということを申し上げることはできません。 ◆松本利寛 委員  収入保険にしてもナラシ対策にしても、現局面のコストについては何ら考慮されていません。いずれも、収量や災害、あるいは病害虫という収入に対するコスト要因を考慮して経営を安定させようというものですが、今、生産コストがどんどん伸びている中で、そのことにはいずれもなかなか対処し切れていません。そこをもう少し何か考えないと、経営がより厳しくなっていく気がします。そういったあたりに、滋賀県独自に何ができることがあると思うので、是非検討いただければと思います。  また、収入保険加入要件青色申告とありますが、収入も支出もしっかりして青色申告をしている人が、この収入保険に魅力を感じているかというと、保険料などから、あまり魅力的ではないというのが、多くの人たちの感想ではないかという気がします。 ◎小川 農政課長  こうした共済制度なりナラシ対策は、やはり国が保険制度設計をされています。滋賀県単独で行うことは規模が小さ過ぎて、なかなか難しいと思います。そのため、こうした燃油高騰等緊急事態には、個別の緊急対策として対応を検討していくことになると考えています。 (3)採決  賛成多数で原案のとおり可決すべきものと決した。 休憩宣告  10時32分 再開宣告  10時33分 2 令和4年産米の作柄と今後の対策について (1)当局説明  平井農政水産部技監 (2)質疑、意見等 ◆加藤誠一 委員  今後の対応として、いわゆる土壌診断を行い、肥料が残っていればまだ追加の肥料をまかなくてもいいのではないかということですが、それぞれの農業形態で、自分の土地を個別に調べることは方法も分からずなかなか大変です。農業新聞などを読んで言うのは簡単ですが、農家が実践するのに何か支援策はないのかと思います。そのあたりはどう考えておられますか。
    ◎平井 農政水産部技監  窒素、リン、カリウムの土壌診断は、全農で進められており、今は無料でされていると理解しています。取組を推進していただく中では、そうしたものを活用していただいたらいいかと思います。土づくりには地力窒素も重要であり、簡易な分析方法を県で開発したので、土壌マップなども活用し、普及指導を通じた支援をしてまいりたいです。 ◆加藤誠一 委員  マニュアルの中にも、そうしたことが多分、入ってくると思いましたのでぜひともお願いします。JAにも営農相談員などがおられますが、今の体制で診断に対応するのは本当に大変だと思います。一斉に頑張って行うとして、農協に支援をして力を入れている県もありました。滋賀県はそこまでしなくてもいいのでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  土づくりやそうした分析につきましては、国庫事業を活用していただけますので、そちらを活用いただきながら進めてもらえればと思います。 ◆松本利寛 委員  わせ品種は基本的に高温に弱いですが、なかて品種の日本晴や秋の詩は、非常に安定的な品質をずっと得ている気がします。そういう点では新しい滋賀83号も、試験栽培からは、晩成型の品種なので安定的である気がしますが、試験栽培の中ではどんな経緯状況か確認します。 ◎平井 農政水産部技監  新品種は選抜の段階において、農業技術振興センターの中の高温検定をする温室で、高温に耐性があるものをもともと選抜している品種です。日本晴や秋の詩はなかて品種ですが、そういう耐性をもっておらず、気象状況を見ていただいたら分かるように、8月の後半に、8月の前半と同じぐらいの高い気温が続くと、やはり影響を受ける年もあります。ですが今度の新品種は、耐性そのものを持っていますので、そうした状況になったとしても影響はないものと考えています。今年は特に、影響を受けにくかったということで、日本晴や秋の詩と比較しても、新品種はさらに登熟がよいとのことです。整粒歩合としても熟したものの比率が、同じなかて品種の中でも極めて高いという特徴があり、実際にそういう状態でした。 ◆松本利寛 委員  特にわせ品種キヌヒカリコシヒカリについて、毎年変わる気候の変動に対応して栽培をし、安定的な品質を保証しようとしても、これはなかなか難しいと思います。ましてやそういうことに対応した栽培技術が、個々の農家にすぐに行き渡る体制もありません。作ってみた結果から分かっているだけです。そのため、そうした対策よりも、やはり栽培する品種自体をどうするのかを考えたほうが、全体的に、品質の安定等をうまく確保できるのではないかという気がします。高温などの気象の影響から、キヌヒカリコシヒカリは品種としてどうなのかを、見極める時期になってきているのではないかという気がします。これは将来の問題ですが、そのあたりをどうしていくのか、考えがあればお聞きしたいです。 ◎平井 農政水産部技監  品種によって考え方が異なると思います。まずキヌヒカリはなかなか高温に対する対応策がなく、業務用に流れています。そうしたことから、作付を減らして新しい品種に変えていく取組をずっと進めています。ですが、昔は1,000円以上あった一等米と二等米の価格差が、昨今では、600円程度となっており、仮に二等米でも量がそれなりに取れれば、農家の収益に見合う部分もあります。そこが流通と生産のバランスの中で、根強くキヌヒカリが残っている理由かと思います。  コシヒカリは、全国的にも3割を超えるトップ銘柄で、これをなくすことは、その産地としてもなかなか難しく、やはりこれをしっかりと生産していくことも重要だと考えています。コシヒカリは、平成10年から高温の影響を受けていますが、そのときの作り方と今の作り方は全く変わっています。先ほども言いましたように、稲を作る前半の時期、根穂が出てからの時期の技術的な対応を、今しっかりと進めております。初期生育の抑制や遅植えなどの技術的な対応をずっと進めていますので、一般的な技術対策は大分進んでいます。そうしたことから平成10年頃に比べますと、各段に品質は上がっています。国の評価も、平成10年くらいの評価ですと、A´やAくらいの評価しか頂いていませんでしたが、昨今の3年間には、特Aという評価を頂けるようになりました。それはやはり品質も上がり、肥料の加減などの部分について徹底できていたことが原因ではなかろうかと思います。そういう中でコシヒカリについては、非常に重要な品種と理解していますので、ここはしっかり生産できるよう技術指導を進めていきたいと考えています。 ◆河井昭成 委員  今の話に関連しまして、品種別の状況の資料の中で、作付比率を見ると、わせは65%ぐらいで、なかては13.5%ぐらいですので、比率で言うとわせが多いようです。ですが、わせとなかてでそれぞれに気候に影響を受ける時期があるのであれば、うまくリスク分散をしておいた方がいいのではないかと思います。当然、売れる、売れない、高い、高くないということもあるのでしょうが、作付をどうやって決めているのかに素朴な疑問があります。今の話の中で一等米の比率が今年少し下がり影響を受けたということですが、影響することが想定される場合はうまく分散しておいたほうがいいと思います。そういった意味でいくと、新しい品種がなかてで使えるということであれば、バランスよくできたと思うのですが、そのあたりをどのように考えているのか、見解を教えてください。 ◎平井 農政水産部技監  やはり経営の中で、わせからなかてまでの遅いものを含めて、経営規模が大きい農家になればなるほど、品種がだんだん分散していく状態になっています。ですが兼業農家の一町、二町ぐらいになると、どうしてもコシヒカリ一本にしたいという方々も多くおられます。そういう小さい農家の方々においては、おくて品種になると、高温というリスクは避けられますが、後半になると今度は台風の影響を受けるリスクがあるので、わせ品種でできるだけ早く収穫したいという思いが、特に兼業農家に多く、小規模農家の意識がそちらへ行っている状況と考えています。平成10年以前は、むしろ日本晴が5割や6割で、わせ品種は少なかったのですが、キヌヒカリ等が出てくる状況の中で、どうしても早い時期になることが農家の選定の中で起こっています。おっしゃっていただいたとおり、今後はわせからなかてまでの作期分散は必要だと考えています。 ◆加藤誠一 委員  お願いになりますが、酒米の関係についても、こういう形で整理された資料があれば頂けますとありがたいです。 3 令和5年産米の生産目標(生産の目安)について (1)当局説明  平井農政水産部技監 (2)質疑、意見等 ◆桐田真人 委員  資料6ページに、事前契約等を締結し販路を確保する等と書いてありますが、前にこの常任委員会で視察に行った豊岡市では、がんこ寿司が一面を借りて米を作っておられました。農家とのマッチングについては具体的にどのように取り組まれているのでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  大規模農家は、主に自らが卸業者と調整をしながら、卸に対して直接販売や、直売される面積を勘案しておられます。大規模になればなるほど農協の力を借りずに、自らやっておられる農家が多いです。小さい農家は、どうしても自分での契約は難しいので、間に農協が入り、どういった品目をという提案を農協がされることが一般的ですが、マッチングにおいては農家の思いと、品種が売れる、売れないという、農協の出荷の方向性とは、なかなか一致しないというのが事実です。  また、小さい農家は農協と契約をされても、特に気象の状況が悪いと、なかなか契約どおりに出されないことや、契約以上にどっと出てくるというような状況もありますので、農協なり市町の中で、しっかりと農家に伝えながら、計画生産を進めていくことを推進しています。 ◆桐田真人 委員  県下は今どういう状況なのでしょうか。滋賀県農業再生協議会という資料を出されていますが、この計画的生産の状況を聞かせてください。 ◎平井 農政水産部技監  面積そのものは、大体その目安をお示していただいていますので、目安どおりの作付をされているのが実態かと思います。ただ、その内訳は、どの品種に需要があり、どの品種に需要がないという契約について、まだなかなか、農家の思いと農協の思いが通じていない部分があり、やはり品種ごとに、濃淡があるという認識をしています。 ◆桐田真人 委員  滋賀県下において、事前契約になじみがあるのかを聞いています。先ほど申し上げた豊岡市では、がんこ寿司が一面を借り切っていました。県下で、そのように民間企業とタイアップしておられるところが数多くあるのか、状況をお聞きしたいです。契約をコントロールということもですが、例えば、同じように酒米であれば月桂冠がこの地域の一帯を借り切ってされていますなど、なじみがあるかどうかを聞きたいです。 ◎平井 農政水産部技監  なかなか一つの企業と農家が結びついて契約をされているケースは、あまり滋賀県ではありません。やはり間に農協が入り、その先で例えば、寿司屋などの事情を農協の中で把握して、その分を作りましょうとされるなど、そうした形となります。酒屋との契約もありますが、大体は農協が間に入ります。大規模農家は、そうした直接の契約も少しはあろうかと思いますが、あくまでもその契約の中でのことで、企業そのものがそこに出張って作付をすることはほとんどありません。 ◆松本利寛 委員  主食用米の生産計画につきまして、米生産の現場では、主食分、加工用米、そして飼料用米が作付されています。全体量から、飼料用米をトン数で表すことは難しいですが、加工用米を含めた県下でのトン数はどういう状況でしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  細かいトン数については、手元に資料がすぐ出てこないのですが、加工用米等については、契約の数量など大体の数量が、農協の中で決まっており、そこはもう満杯状態とのことです。例えば、国に対する備蓄米の数量も滋賀県で大体の枠があり、それについても満杯で、大体余ってきており、余らせる余裕があるのは飼料用米という状態です。輸出量も伸びてはいるものの、農協のスキームの中で動きますので、個別に伸ばしていくことは非常に難しく、大体1,000トン程度です。どんどん増やしていける状況にはなっていないと聞いています。 ◆松本利寛 委員  本会議でも言いましたが、滋賀県の米の生産量のトータルは、14万4,800トンですが、それを上回る77万トンを非常に高い値段で輸入しています。しかも加工用米や、飼料用米がその米で賄われています。平井技監が言うように、加工用米も飼料用米もそれによって制約されています。国内の生産だけを考えるのであれば、やはりこの米の輸入の問題について、全国的にもう少し声を上げないと、米生産そのものに対する非常に大きなおもしとして、存在し続けていると思います。引き続きその辺の国のありようについて、検討して声を上げてほしいと思います。返答は結構です。 4 イチゴ新品種「みおしずく」について (1)当局説明  笠井みらいの農業振興課食のブランド推進室長 (2)質疑、意見等 ◆桐田真人 委員  令和4年度には9生産者、32アールで栽培されていると書かれていますが、大津市や高島市、長浜市といった県下で生産されている地域の分布を教えていただけたらと思います。生産されている地域から広がっていく可能性も高いと思いますので、参考に教えていただきたいです。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  先ほど申しましたように、今年は、気象条件が違う県下各地で栽培が可能なのか、どういう管理をすればおいしいみおしずくができるのかという実証として、各地域の農産普及課の職員に、大津市をはじめ、東近江市、愛荘町、長浜市、高島市と県下各地で生産いただいています。これらのデータに基づき、次年度はその地域の方々に広げていき、県内各地に広がっていくように取組を進めたいと思っています。 ◆加藤誠一 委員  令和7年度の1億円という目標に向けては、栽培面積を増やしていく必要がありますし、今おっしゃったいろいろな地域での品質については、どこで作っても同じ品質にしなければいけないと思います。普及指導の体制もあると思いますし、農業大学校などで、イチゴを作りたい学生が何人かいるように聞いていますが、今後、そうしたことも含めて、面積をどうやって増やしていくか、何かプロジェクトとしてつくったものや考え方があれば教えてください。ブランド化と言うのは簡単ですが、やはり作ってもらう方にしっかりと技術も伝えなければいけないし、普及、販売体制も整えなければいけません。現在進行形なのかもしれませんが、実際として全体的に、今後どういう形で進めていくのかスケジュールがあれば教えてください。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  JAと県とで、園芸農産振興協議会という協議会を組織させていただいています。そこに、全県域の部会というか、生産者の集まりの組織をつくりたいと思っています。やはりそれだけでは、なかなか小まめな技術指導等が非常に難しいので、その次に各地域、農協ごとに組織をつくっていただき、普及員なりJAの営農指導員がしっかりと技術指導を行っていくようにしたいです。産地をまとめることにより、共同販売の有利さも達成できると思いますので、圏域にまず組織をつくって、その下にJAごとに組織をつくり、まとまった形で出荷できるよう、まず組織化を進めたいと思います。その中でしっかりと安定した生産ができるように技術指導を行っていきたいと考えています。 ◆加藤誠一 委員  全体のことは分かりました。具体的には、既存のイチゴを作っておられる方をベースに品種を変えていくという方針なのか、あるいは、全く新しく生産者をつくっていく方針なのでしょうか。既に別のイチゴ栽培を行っている方にはそれなりの設備や技術がありますが、全く新しい方はハウスから建てなければいけません。特段に新規のイチゴ農家を育てるのであれば、やはり支援策を県としてもしっかりやらなければいけないと思いますが、そこの考え方はどうでしょうか。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  私も普及員として何年か大津南部の農業普及所にいたのですが、イチゴを生産したいという新規就農の方から、御相談が非常に多いこともあり、やはり方針はどちらかと言うと新規就農かと思います。しかし周りを見てみますと、イチゴ農家がいっぱいおられまして、消費者の取り合いをするような状況が、消費者が多い大津南部でも起こりつつあります。そのため、新たな流通の一つの柱として、今まで量販店に非常に少なかったところを、県外のものから置き変わるようしっかりと滋賀県産で埋めていきたいです。さらには、全国的に一番有名なあまおうというブランドと同じような価格でしっかりと流通させ、それにより農家の方の所得を安定させるという、どちらかというと新規就農の方が取り組めるような生産、流通の体制をつくり、イチゴ全体の生産量を増やしていけるよう現在、取組を進めています。 ◆加藤誠一 委員  そういう思いを実現するために、予算や人、いろいろな体制、支援策の面でも、大きなプロジェクトとしてしっかりと進める方向でぜひやってほしいと思います。せっかくの新品種ですので期待しております。よろしくお願いします。 ◆駒井千代 委員  今、お話を伺っていますと、この、みおしずくは、一般の方に流通する量を狙うそうで、ブランド化されるとのことですが、私の周りでも結構新規就農される方が増えてきていますし、かなり短期で所得が回っていけるということで、農業大学校でもかなり要望は大きいと聞いています。現時点での県内におけるイチゴ生産量と農家数等のデータの推移が分かれば、それを渡していただきたいです。また、今後の見込みと戦略に係り、この量なので量販店も一旦は特定のところから広げていく形かと思いますが、量販店側の反応はどういう感じなのかをお聞かせ願います。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  先ほど申し上げましたとおり、ブランドとして取り扱っていきたいという意味を込めて、量販店と話をさせていただいています。この量販店というのは平和堂になりますが、現在のところはそこで売っていただいています。全国のトップブランドのあまおうと同程度の価格で売っていただいており、今までなかなか滋賀県産が欲しいと思っていても、量販店で手に入らなかった方に買っていただいております。売れ行きなども大変好調だと聞いております。先ほどのとおり、今後はそうした状況も量販店と話し、今の流通の中で課題等も出てくると思いますので、今年度はしっかりと実証をし、解決に向けて生産者などのいろいろな方とも話し、流通の部分で解決する課題をしっかりと洗い出して、次年度以降の生産につなげたいと考えています。 ◆駒井千代 委員  イチゴの流通過程における課題は、少し軟らかく崩れやすい品種があったことから、そのあたりをどうクリアするかということでしたが、このみおしずくというのは、実際に流通させてみて、その点はクリアできているということでしょうか。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  はい、そのあたりの話を平和堂に聞いていますと、クリアしているということです。昨今の品種はどちらかというと非常に軟らかく、直売がやはり中心で、なかなか量販店への流通に向いていなかったのですが、この品種についてはそういう面では非常に安心して出荷いただける品種だと思っています。 ◆江畑弥八郎 委員  新品種は章姫が父で、かおり野が母ということですが、どちらが雄花でどちらが雌花か教えてください。あと、今はちょうどクリスマスケーキの最盛期で、恐らく年間で一番イチゴが使われる時期だと思うのですが、その時期を少し外されたということには、何か理由があったのでしょうか。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  平和堂ではみおしずくのクリスマスケーキも作っていただいています。ネットなどでの予約販売として300個限定で作っていただいておりますので、そういう面で消費者の反応も見ていきたいと思います。  父方が章姫で母方がかおり野という交配で、それぞれが雌しべと雄しべの関係だと思いますが、そうした交配で出てきた品種で、その後に選抜してできたものです。 ◆松本利寛 委員  生協の商品として試食させてもらった方の裏の原料名のところを見ると、牛乳は滋賀県製造と入っていますが、イチゴには何も記入なしで、米粉には滋賀県のうるち米と入っています。だとしたら、このイチゴのところに、滋賀県産などを入れなければいけないと思います。こういう細かいことをやはりもう少し徹底していただき、平和堂にもこういうイチゴを出荷するのであれば、そこへ入れてもらうなどの工夫を少ししていただいたほうがいい気がします。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  先ほどのロゴマークについては、加工品にも当然つけていただこうと思っていますし、しっかりと、みおしずくということが分かるように、消費者に理解していただける形になるよう、販売についてはそれぞれの業者等とまた話をしていきたいと思います。 ○山本正 委員長  1点教えていただきたいのですが、これは普通のイチゴ栽培と同じような設備などで栽培できるのでしょうか。今回は32アールで確か4万2,000パックできているということですが、イチゴを作るのに当たっての設備投資なり労力は、大体、どの程度かかるものなのか教えていただけたらと思います。3反を単位にしていいのか、1反を単位にしていいのか分かりませんが、これぐらいの収量でこれぐらいの販売価格としたら、設備投資としては大体でこれぐらいが初期投資で要るということが分かる数字がもしありましたら、平均値でも何でも結構ですので教えてください。 ◎笠井 みらいの農業振興課食のブランド推進室長  今は手元に持ち合わせておりませんので、また試算についてはお渡ししたいと思いますが、みおしずくだから特にほかのイチゴよりも設備投資がかかるということはなく、基本的には他の品種と同じような設備投資で栽培できます。章姫などはどちらかと言うと軟らかい品種ですので、やはり軟らかくなり過ぎて、春先になれば少し品質が落ちてきます。収量的にも、廃棄の率が高くなるということですが、この品種は、春先もしっかりこの硬さで形を残していますので、そういう面ではロスが少ないかと思います。 5 滋賀食肉センターのあり方検討について (1)当局説明  浅岡畜産課近江牛流通対策室長 (2)質疑、意見等 ◆松本利寛 委員  資料4ページの滋賀食肉センターのあり方見直しの方向性、(2)の効率的で持続可能な運営形態への見直しという項目で、センター全体として効率的な運営ができておらず、センター運営に関わる責任体制も不明確であることを踏まえとあったのですが、これは具体的に、どういう点で非効率なのか、責任体制がどうなっているのかを、もう少し教えていただきたいです。それから(3)には旧3屠畜場時代から引き続いている、不公平な取引ルールという記述がありますが、具体的にどういう取引を不公平な取引と示されているのか、その2点をお聞きしたいです。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  1点目につきまして、センター3団体間では、お金のやりとりが当然発生しますが、そこにおいて、3団体間で未払い金が生じていることもやはり問題ですし、例えば廃棄物の処理や屠畜業務の中で事故等が発生したときに、施設の管理者の責任なのか、業務の運営者の責任なのかといったことの調整に、非常に労力と時間がかかることもやはり問題の一つと考えています。  2点目の、旧屠畜場時代からの不公平なルールにつきましては、具体的には内臓を洗うときの料金体系が、以前の豊郷町や旧の武佐、近江八幡の屠場の時代の方からそれぞれ異なって運用されていることも伺っています。またハラミという非常に人気の高い部位を枝肉の一部として流通させている方もいれば、内臓として流通させている方もいるように、出荷者により部位の取扱いが違うということがあります。そうしたことは、センター以前の商慣習をベースに今も引き継がれているとのことですので、やはりセンターとして、一定の統一的なルールを整理していくことで、今後とも安全安心な食肉を提供できる食肉センターにしていけると考えています。そうした取引ルールについても、あり方検討の中で、一定、関係者の皆様と意見交換をしていかないといけないと考えています。 ◆松本利寛 委員  今伺った限りでは、本質的な運営形態のありようからくる問題ではなく、多分3市場を統合したときの契約として、そういう旧来の商慣習を大事にしていく前提で、この施設が運営されてきたことに経緯があるのではないかと思います。では、それを一概的に効率的、あるいは非効率として、これを全て駄目という議論をすると、設立された当時の経緯から、それぞれの関係者の理解に差し障ってくると思いますし、だからこそ訴訟まで起きている部分もあると思います。関係する2つの組織から、先ほど言われたとおり相当多額の未払い金が生じていることについては、その施設を設置されたときの計画と、その後の運営のそごから未払い金が発生しているのではないかとも言われています。やはりそこはもう少し、当初の計画との違いなども含めて明らかにしながら、公開での議論などをしないといけないと思います。内部的にここにどういう問題があり、どう解決していくのかを議論する場合に、もう少し全体を明らかにして議論していただきたいと思います。何よりも関係者がしっかり納得した上で、組織のありようについて、議論に参画していただけるようしっかりやっていただきたいと申し上げておきます。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  来年度以降に、関係者の皆様としっかり議論をしていきたいと思います。特に商取引に関しては民間同士の関係から行われる部分ですし、それぞれが納得できることも大事だと思っていますので、しっかりと関係者の皆様の御意見を伺ってまいりたいです。過去の経過を踏まえながら、お話をしっかり伺っていく必要があると思っています。 ◆松本利寛 委員  どこかで整理していただいたものを、一度開示をしていただいているとは思うのですが、今申し上げた、資料の(2)の効率的で云々という記述の具体の中身と、それから資料の(3)の不公平なルールの問題について、もう少し詳しく解明したものをできればいただきたいです。もし今までのところに書いているというのであれば、そこを教えてもらえればそれで分かりますので、よろしくお願いします。 ◆江畑弥八郎 委員  近江牛に対してどういうイメージをもっているのかという、県民アンケートの結果は分かりました。松本委員とほぼ同じ内容ですが、あり方検討について伺います。まずは県の考え方をまとめるということで、スケジュールでいうと、3月の常任委員会でまとめるとなっていますが、本来、在り方の検討についてはボトムアップで、そこにおられる方や関係する業者の方も含めて、下から上がってくるのが普通の在り方検討かと思います。委員である我々も含めて、正直言って素人ですので、そうした中で、在り方について何かを決めたとしても、一つの方向性にしかなりません。どうもこのやり方では、現場の声が上がってこない感じがしますがどうでしょうか。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  しっかりと関係者の御意見を伺いながら、進めていく必要があると思っています。3月に取りまとめをしようとしているのは、議論を進めていくに当たって、公社の最大の出資者であり市場の株主でもある県としての考え方を、やはり最初に問われると考えているためです。県としての考えを説明しながら、関係者の御意見を伺っていく手順と考えています。 ◆江畑弥八郎 委員  県の考え方をまとめるということで、結論ではなくあくまでもたたき台として、現場の人の声を聞きながら前へ進めていくということですか。
    ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  委員のおっしゃるとおり、やはり様々な意見をお持ちの方もおられますので、意見をしっかりと聞くに際しては、一つのたたき台を示しながら、伺っていきたいと考えています。 ◆江畑弥八郎 委員  そういうやり方もあるとは思いますが、本来なら、現場で実際やっておられる方の意見を吸い上げることが一番大事だと思いますので、そこはしっかりとした対応をお願いしたいと思います。 ◆駒井千代 委員  話合いがこれからですので、少し先のビジョン的なものになるかもしれませんが、近江牛の出荷先を見ていると、やはり海外にも出荷している率がかなり上がってきています。今度の運営体制の見直しの中では、現状で出荷できていない、クリアしていかなければいけない国についての展望をもって、しっかりクリアできるところに担ってもらうなど、方向性をもって臨んでいただきたいです。そうしたその先の、近江牛を今後どうしていくかのビジョンを県としてもしっかり踏まえながら、それぞれの方とお話をしていただきたいです。要望的なことかもしれませんが、その点を忘れずによろしくお願いします。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  今年度、関係者の方からお話を聞いていく中でも、海外輸出に非常に関心のある方の中には、滋賀食肉センターの輸出機能の強化を御指摘いただく方も当然おられました。食肉センターのあり方に関しては、そういった輸出、流通先についても、関係者の方との意見交換をしっかりしていきたいと考えています。 6 アユの再生産および琵琶湖の水産資源対策の状況について (1)当局説明  山田水産課長 (2)質疑、意見等 ◆桐田真人 委員  先ほどから、需要の低下という言葉がよく出てきますが、需要の喚起策、喚起に向けた取組というのは資源管理と両輪の取組だと思います。その需要の喚起策については、主要な5つの魚種だけに特化してでも、何か取り組んでおられるのでしょうか。その現状を少しお伺いしたいと思います。 ◎山田 水産課長  全般的な対策としましては、県の補助事業として、県漁連が自ら新たな流通に取り組んでいく事業を、令和3年度から進めています。その中で様々なことにチャレンジしていただいているのですが、とりわけ今年は、今、御試食いただいているヒウオの消費を喚起していきたいということで、県内の流通が主であったところを、県外にも流通させていくことにチャレンジしています。つい先日の12月10日から12日にかけましても、日本橋の三越本店での販売をされており、目標200パックのところ、160パックほど売れており、かなりいい反応として手応えもあったようです。  また、そのほかの魚種としまして、先ほど少し触れましたホンモロコでは、資源がせっかく増えてきているのに利用し切れていないところが、やはり非常にもったいない部分ですので、ホンモロコの魅力を、再び皆さんに知っていただけるよう、我々も一緒に取り組んでいるところです。先ほど申し上げた流通に係る取組においても、こうした、別の魚種についての消費を伸ばしていきたいと思っています。 ◆桐田真人 委員  とても大事な点は、アユやニゴロブナ、ホンモロコ、ビワマス、セタシジミなどになじみがないことです。私たちの世代では、こうしたものを食べる文化に触れていたのでなじみがありますが、食べる文化そのものになじみがなければ食べようとしません。特に魚は海の魚でも魚離れが言われています。そうした中での湖魚についての需要喚起としては、やはり食べてもらっておいしいと感じてもらう取組をしないといけません。よく給食などを活用したらどうかという声もありますが、やはり時間がたつと風味は失われますし、湖魚特有の臭いなどが出てくる可能性もあります。逆にそうしたことでおいしくないというイメージが付いていることもあり得ます。アユのつくだ煮などでも出来立てはやはり特においしいです。だから、そういった部分でも、やはり直接的な体験として接してもらう取組を、県漁連などとしていただけたらと思います。県外に出るのも大事ですが、県内や主要産地の近くなどで案外需要が少なかったりするので、そういったところにフィットしたドメスティックなマーケティングをしていけば、需要喚起につながるのではないかと思います。  ほかに需要喚起の部分では、やはりどういう料理に適しているかや、冷めてもおいしいメニュー、子供が食べやすいメニューの開発などをして食べてもらわないと、需要は喚起されません。これから育っていく子供が湖魚を食べなければ、需要はなかなか増えません。生産者の方々が一番おいしい食べ方を御存じだと思うので、一体となって、各世代の嗜好に合わせたメニューの開発など、新たな知見、可能性をどんどん入れていくチャレンジをしていただきたいと思います。食べてもらっておいしいと感じてもらわないと需要喚起になりませんし、せっかく食べてもらってもおいしくないとなったら、二度はもう食べようとしませんので、これは提案ですが、参考にしていただければと思います。 ◆松本利寛 委員  今の続きの話として関連することをお聞きします。資源管理という考え方を示していただいており、ここでは稚魚、あるいは稚貝の放流量が上がっているのですが、これと漁獲量の関係、さらに今の消費量の関係がどうなっているのか、これについてはやはり、もう少し具体の数値で消費の段階まで追っていく必要があると思います。例えばセタシジミの稚貝をこれだけ放流して、漁獲量はどうなっているのかということとの関係で、セタシジミの漁獲量がもっと増えれば、消費はもっと拡大する気がします。そういう関連性の中で、様々な施策を立てていくことが、大事ではないかという気がしますので、そういう関連で見ておられるかどうかをお聞きしたいです。 ◎山田 水産課長  放流も資源管理の一要素であり、そのほかに、漁場環境を整える取組や、漁師自らの獲り方の一定の制約、ルールを作るといったことにもいろいろ取り組んでいきます。その中で放流につきましても、やはり、どれくらいの効果があるかということは、委員がおっしゃるとおり、しっかりと評価していく必要があると思っています。  また、例えば漁獲圧力が少し高いのではないかという場合には、それを少し減らさなければいけないこともあるかと思います。そういった取組により、資源に影響のない範囲でしっかりとした漁獲量となるようにしていくことが大事だと思います。  その後の消費につきましては、公の統計的なものはなく具体的な数字で追うのは難しい面もありますが、やはりそこが押さえられないと、我々が目指していますもうかる漁業の実現という面では、数字が不足していると思いますので、できる限り実態を把握しながら、どういった流通が湖魚にフィットするのかということをしっかりと検討してまいりたいと存じます。 ◆加藤誠一 委員  山田課長が水産庁から滋賀県にお越しいただき、滋賀県でいろいろな琵琶湖漁業に取り組んでいただいて2年がたちます。日本のほかの湖などの漁業がどうなっているのかを、私は全然知らないのですが、この琵琶湖漁業を国から見てどういう思いを持たれたのかをお聞きしたいです。それから、地域によって漁業は違うと思いますが、これだけ大きな湖にはいろいろな課題がありますので、また、お帰りになったら国の御支援もぜひ考えていただきたいと思います。御感想だけお聞きしたいです。 ◎山田 水産課長  私の認識では、湖の漁業というのは全国でも非常に限られたものであり、盛んに行われているところでは、やはりいずれもシジミがメインです。シジミといいましても、セタシジミとは異なる汽水域で育つヤマトシジミが中心です。今もしっかり残っている湖の漁業は、やはりそういったところだけという状況になってきています。その一方で琵琶湖に関しては、アユやビワマス、ホンモロコといった魚の漁獲量が、今もこれだけあり、優れた地域素材として、県民に親しまれていることは本当にすばらしいことだと思っています。この琵琶湖漁業は、今は厳しい状況にありますが、伸びていける部分が大いにあると思いますし、今後、しっかり取り組んでいきたいと考えています。 ○山本正 委員長  1点お聞きします。資料6ページ上の、琵琶湖の漁場としての生産力の低下が目立ってきていることの中に、魚類の餌となる動物プランクトンの減少と書かれており、これについて漁場生産力の向上を目指す実証研究をされるということになっています。汽水の話となりますが、宍道湖で40年近く様々なモニタリングをした結果、ネオニコチノイド系の殺虫剤の影響によって動物プランクトンや水生昆虫が減少し、それを餌としているワカサギが、それらと同じようなグラフのカーブで減少していることが分かっています。やはり琵琶湖は大きいので、宍道湖のようにすぐに影響が出るわけではないですが、宍道湖でこのように出てきたということは、琵琶湖も何らかの影響を受けている可能性があります。国が何かをやってくれるまで待つのではなく、滋賀県独自にこうしたことの何らかの研究なりを考えていただけたらと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。そのことについて、水産課長の御意見をお聞きしたいと思います。 ◎山田 水産課長  1993年頃からネオニコチノイド系の薬が使われ始め、宍道湖で魚が取れなくなったのではないかという、今おっしゃっていただいたような懸念の声があるとのことですが、琵琶湖の場合は、いろいろな統計データを見ている範囲では、93年以降に、動物プランクトンが激減したという兆候は見られておらず、逆に琵琶湖では、その後ワカサギが急増するといった動きもあり、現在のところ、ネオニコチノイド系殺虫剤と魚類の影響を関連付けるデータは持ち合わせていません。ですが様々な環境要因によって、やはり影響もあろうかと思いますので、引き続き状況をしっかり注視していきたいと存じます。 ○山本正 委員長  琵琶湖は宍道湖とは水量が全く違いますので、影響がすぐに出てくる宍道湖とは違うと思います。影響としての話であれば、多くの研究者がその結果を出されておりますので、ぜひまた御検討いただきたいと思います。 6 一般所管事項について ◆柴田清行 委員  この夏の水害などでも農業被害が出ていたのですが、土砂搬入や、機械の故障などの補償はされているのですけれども、実際に被害に遭われた方々の農業収益はかなり減少しており、収入保険だけではなかなか難しいという被害者の声も出ています。収入保険に関しても、多分、今年度分はまだ終わっていませんので、計算されているところですが、県としてそこの部分の被害を今後しっかりと把握して対応されるのか、お聞きします。 ◎小川 農政課長  収入保険制度につきましては、大規模な災害があった場合に、当該年度の収入が大きく減ったとしても、5年平均で収入を出していますので、収入が大きく下がったときの補填が少ないという問題があるとお聞きしています。これは、現在、国で制度改正について検討を進められており、聞いている話では、収入のあった年について、特例的に、平年の8割までの収入があったものとみなして、翌年度の保険を考えるとのことです。従来と比較しますと、例えば1,000万円の収入が100万円まで減った場合、従来は100万円と裁定されますが、新しい制度では、800万円相当の収入があったものとみなし、翌年以降の保険を考えていくという方向で、国で検討されていると聞いています。制度が新しくなりましたら、そういう形で保険制度、共済組合で実施、運用され、被災者の方に対しても手厚い保証になっていくのではないかと考えています。 ◆柴田清行 委員  今、新しい制度として説明がありましたが、それは今年の被害には多分、適用されないのではないかと思います。今年の被害に対してそういう部分はどうするのでしょうか。それと、収入保険に際し、農家の正式な被害額も出てくると思うのですが、大きな農家では300万円、400万円という被害だとも言われています。肥料高騰の場合でも国が7割、県は2割の9割まで補償したという今年の予算の実績もあるので、それも含めたいろいろな検討が必要だと思います。よろしくお願いします。 ◎小川 農政課長  収入保険制度を含め、共済もですが、国の制度で運用されています。私どもではそれで十分とも考えておりますが、例えば単独で、県が制度を入れた場合には、国の制度と調整が入りますので、県で補填をするとなりますと、国の保険が減ることになり、結局、その農家に渡るお金はそんなに変わらないという制度になっています。そうした大きい国の制度で動いておりますので、県として新たに単独で災害補償をすることは、なかなか難しいと今のところ考えています。 ◆柴田清行 委員  大きな額の減少があるという部分に関しては、県でも把握しておられると思います。国の制度の中で、県がプラスしたらその金額が減っていくという部分は今初めて聞きました。ですが、今回、霞堤という部分もあろうと思いますし、やはり何かしっかりとした制度ができるように要望をしておきたいと思います。今後、この霞堤などの被害をどうするのか、遊水地として霞堤を県が見られるのか、遊水田という方法もあろうかと思いますので、検討いただきたいと要望しておきます。 ◎宇野 農政水産部長  今回の水害において、霞堤という特殊な河川の形態が原因かどうかは議論があると思いますが、被害に遭われた方がいらっしゃるのは事実です。そうした田んぼがどのような公益的機能を果たすのかということは、流域治水の問題でもありますので、農業政策面だけでの議論ではなく、流域全体の安全性と生産面の利害調整をどうするかという、県全体で考えるべき議論かと思っています。 7 委員長報告について    委員長に一任された。 閉会宣告  12時33分  県政記者傍聴:京都  一般傍聴  :なし...